診療内容MEDICAL
子どもの近視治療

成長期の目を守るため、
早期からのケアが大切です。
近年、子どもの近視は世界中で増加しており、特にアジアの先進諸国では多い傾向にあります。
近視は、遺伝的要因と環境要因の両方が関係すると言われていますが、
近年の近視の増加は、環境による影響が大きいといわれています。
どうして子どもは近視に
なりやすいの?
近視は、目の奥行きが少し長くなることで、目に入った光がうまく網膜(ものを見るスクリーンのような場所)に届かず、手前でピントが合ってしまう状態です。これが、遠くのものがぼやけて見える原因です。
子どもは体が成長するときに、目も一緒に成長します。身長がぐんぐん伸びる時期には、目の奥行き(眼軸長)も少しずつ長くなることがあります。この「目の奥行きが長くなる」ことが近視の原因のひとつです。特に小学生から中学生にかけての成長期は、体と一緒に目も変化しやすく、近視が進みやすい時期といわれています。
正規の状態
軸性近視

3歳児健診での「目の検査」が
とても大切です。
お子さんが一生を通じて良い視力を保つためには、小さいうちから近視の発症や進行を防ぐことがとても大切です。
最近の研究では、近視が進むと将来、白内障・緑内障・網膜剥離・近視性黄斑変性症など、さまざまな目の病気のリスクが高まる可能性があることがわかってきています。
3歳になると、お子さんはお話ができるようになり、視力検査もできるようになります。
このタイミングでしっかり目のチェックを行うことで、もし見えにくさがあっても早く気づくことができます。
早期に発見し、必要に応じた対応を行うことが、お子さんの目の健康を守る第一歩です。

近視の進行抑制治療
低濃度アトロピン点眼

リジュセアミニ点眼液は、低濃度のアトロピン(0.025%)を含有した点眼薬です。 就寝前に1日1回の点眼で、小児期の近視進行を抑える効果が認められた点眼薬として、日本で初めて厚生労働省に承認されました。
特長
- 1日1滴、就寝前に両眼に点眼
- 副作用がほとんどなく近視進行抑制に適した目薬です
対象となるお子様
- 1軽度または中等度の近視の方
- 4歳~12歳のお子様
オルソケラトロジー
オルソケラトロジーとは、特殊なコンタクトレンズを就寝中に装用し、角膜の形状を矯正させることで、
日中は裸眼で過ごすことができるようになる近視矯正法です。
-
近視の状態
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レンズ装用中
-
レンズを外した後
角膜中心部の前面が平坦化
特長
- 夜間に大人の管理のもとで装用できる
- 年齢の低い子どもでも可能
対象となるお子様
- 軽度~中等度までの近視のお子様
- 適応対象年齢の制限なし
多焦点ソフトコンタクトレンズ

目が必要以上にピントを合わせようとするのを防ぐことで、眼球の奥行き(眼軸)が伸びるのを抑え、
近視の進行をゆるやかにする効果が期待されています。
多焦点ソフトコンタクトレンズは、中心で遠くを、周りで近くを見やすくする特別なデザインになっています。
特長
- 日中に装着
- 使い捨てタイプも多く、衛生面の管理がしやすい
- オルソケラトロジーに匹敵する有効性
対象となるお子様
- 強度近視のお子様にも可能
- 比較的年齢高いお子様(10才以上)
※日中に使うため、目にゴミが入ったときなどに自分で取り外せる年齢になってからの使用が勧められます。

近視を防ぐための生活習慣

外で過ごす時間を増やしましょう
近視予防のために1日2時間は屋外で過ごすことが良いことが分かっています。
屋外活動による近視の予防効果は、年齢が低い子どもほど高いため、特に幼稚園・保育園、小学校低学年では、無理のない範囲で外遊びを積極的に取り入れ、太陽の光を浴びるようにしましょう。
熱中症対策も忘れずに!
建物の影や木陰で過ごしても、ある程度の明るさがあれば近視予防効果はあります。

近い所を見る作業では
注意しましょう
タブレットやゲーム機を使うときは、こんなことに気をつけて!
- 部屋は明るくする
- 目は画面から30センチ以上離す
- 30分に1回は遠くを見るようにする